都の西北で早稲田を叫ぶのは本当に陳腐だ。

今年は花粉が例年に比べて多いらしく、身辺にも初めて発症した人をよく見かける。
こんな年に発病してしまうとかなりつらいだろう。
読書なんて滅多にしない人間が何の気無しに哲学科に入ってしまうのと同程度に、初めて行ったメーヤウでなんとなくチキンカリー(激辛)食ってしまうのと同様に、それは未知との遭遇である。

幸か不幸か、俺は花粉症のベテランである。
発病したのは確か小学校4年生。つまり10歳であるわけだから、文字通り、半生を花粉症とともに過ごしたのだ。
当初はスギだけに反応していたのは、今ではブタクサやらなんやらにまで過剰反応してしまうらしく―――検査はしていないので正確には不明だが―――症状は春が終わりにさしかかるまで続く。

花粉の時期はいつも切ない時期である。
と、いうと気色悪いが、今日は早稲田の卒業式であったようだ。
先輩たちをはじめ、何人かが学校に集っていたようだが、シフトの束縛から逃れることは能わなかった。
バイト中に、ちらと駅前に出ると、ロータリーは黒山の人だかりで、その中にぽつぽつと鮮やかな袴姿の人たちが見られた。
みなニコニコとしていて、今日中に1000冊もの雑誌を地方発送しなければならない自分が不憫になる。
おまけに職場の向かいのバーではイラン戦にかこつけての大騒ぎであり、来春からさらに仕事が増えそうな自分が不憫どころか腹ただしくなる。

つまり、今夜は「わっせだ~、わっせだ~♪」と「ニッポン!ニッポン!」で街中が溢れていたのである。

ところで、俺には早稲田を叫ぶ人が理解できない。
いや、愛校精神は結構なことである。
俺も自分の学校はわりと好きだ。
だが、校歌は覚えていないし、紺碧の空に至ってはさっきから苦悶しているがメロディすら思い起こせない。
だいたい、普段学校にいて、都の西北を1番から3番まで通して歌えそうなやつなんて殆ど見かけない。一体、今日の早稲田狂いどもはどこから大量発生したんだ?

先日、卒業ライブの帰路、先輩と話していたのだが
「あの、わっせだー、わっせだーってとこは恥ずかしいぐらいダサいよね」
との結論で一致した。
校歌に格好良さは求めないが、少しばかり間抜けな感がどうも否めないのだ。

あんな恥ずかしい歌を大声で歌うぐらいだから、よほど母校を愛してやまないのだろうが、本当なのか?
どう見たってわっせだーわっせだーやってる人間は勤勉な学生像から離れているぞ。

やはり、ステイタスなのか。早稲田ブランドなのか。
大声で叫ぶと自己価値が増すのか。気色悪い。

自分はたくさんの素敵な人々との出会いを提供してくれた早稲田という場所に感謝しているから、ああいうやり方は好きになれそうもない。

朝になった。
夜明けが早くなったことに気づいてしまうような生活から脱却せねば。

わりと楽しみにしていた本が出た。
分厚い。ハードカバー上下巻でしめて¥4000。
これで、つまらなかったら目も当てられない。
めざましテレビを軽く見てから読んで、寝よう。
明日は追いコンだ。楽しみ。
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by sargent_d | 2005-03-26 05:43
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