また、本。

田口ランディ『神様はいますか?』(新潮文庫)
いい感じ。けど、やっぱり暗くなる。いや、面白いし笑えるんだが。
テーマが他者論と絡んでいて、うーん・・・・・・となることが多い。

 他者というのは「きっと、こうなんじゃないかな」と推測し、想像することしかできない存在なのである。つまり「他者はわからない」ということのみ、お互いにわかりあうことが可能なジャンクションである。

しかし、今日まで田口ランディって男の人だと思っていた。
絶対ランディ・バースのせいだ。
なにやら盗作問題で燻っている作家だが、ま、いい。
「お前、何回焼き増ししたら気が済むんだよ!」って作家は腐るほどいる。

そういえば、昨日、結局読了した阿部和重の『ニッポニアニッポン』だが、精神科医である斉藤先生による解説文が面白かった。いきなりクイーンのジョン・ディーコンは酷い扱いだというところからスタートしてしまう。
なかでも
 おそらく、阿部が排除しようとしているのは「文学的曖昧さ」だ。それゆえ阿部の仮想敵のひとりは、明らかに村上春樹である。隠喩的リアリティの誘惑を断ち切れない村上に決別する阿部は、あえて「すべてをさらけだす」戦略に打って出る。だから阿部の「引用」を隠喩的に深読みしてはならない。
だなんて、強烈な記述がある。いや、俺が言ってるんじゃない、斉藤先生が。春樹好きの人、怒らないでくれ。

時々、思うことなんだが、ロック(って書くの恥ずかしくて嫌なんだけど)好きな人は、全体の母集団と比して、春樹好きが少ないような気がする。
それは、上述の斉藤先生説とも関わるところがあるんじゃないだろうか。

作家の好き嫌いなんて、音楽の好き嫌いと似たようなもので、各々があるものだから別に問題はないはずだ。俺が好きな村上龍だって、嫌いというか憎んですらいる人もきっと少なくはないんだろう。俺だって読んでて「あー、こいつムカツク、でも、おもしれー」っていう状況がしょっちゅうだ。
ただ、やっぱり食わず嫌いは良くないけど。
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by sargent_d | 2005-05-21 00:54
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