日本発オリエンタリズム

いよいよ選挙か。
実は俺にとっては初選挙だ。
先の都議会選は寝坊した。
起きたら夜8時、という醜態で自ら国政にぐだぐだぬかす資格を放棄したわけだ。
最初の選挙がこんなお祭りさわぎというのは、良いやら悪いやら。
明日も午前中は選挙カーが走り回るんだろう。
必死にならざるをえないか。

必死なのは候補者だけでなく、落語界もそうなのかもしれない。
産経新聞 9/08

【落語アニメ】若い世代のハートをつかめ 来年テレビ放映

落語芸術協会(桂歌丸会長)は、今年で協会創立75周年を迎えるのを記念し、アニメ「落語天女おゆい」を制作する。今月中にも放送局を決定、来年一月から週1回(全12回)、テレビ放映したい意向で、アニメと落語という取り合わせが注目されそうだ。




原案作成と声優に同協会所属の落語家を起用した。高校で落語研究会に所属、落語家を志望している主人公の女子高校生、月島唯ら六人の女の子が現代から幕末の江戸の町にタイムスリップ。町を荒らしている妖魔を、落語の持つ「言葉の力」を武器に退治するというストーリー。


ついに、萌えの波がここまで。
件のアニメ画像を見れば判るのだけど
制作発表ページ
・・・・・・なかなか、強烈だな。
江戸にタイムスリップするのにミニスカ(?)かよ。

落語みたいな典型的な伝統文化が協力するってことは、よほどアニメ制作サイドからの押しが強かったのか、と思ったが案外そうでもないのかもしれない。

ITmediaから引用。
原作者の桂歌若師匠。噺家でありながらも、師である桂歌丸師匠が「歌若は本物のオタク」と認めるほどのアニメ好き。自らも「萌えや美少女アニメに対しては誰にも負けない審美眼を持っている」と自負しているらしい

・・・・・・わざわざ自負しなくても。
まぁ、プロがしっかり監修する(少なくとも大御所集めて記者会見やってるぐらいだし)んだったら、目も当てられないような惨状、ということは免れると思いたい。
声優だって、角度を変えれば噺のプロなわけだし。

しかし、もしもこれが他のアニメと同様に世界中へ発信されるのか? と考えると、すこしだけ思索が複雑になってくる。
日本は政府が提言しちゃうぐらいのアニメーション大国になっていて、事実、日本で放映されているアニメは世界各国で手に入るようになりつつある。
そうしたとき、「日本の文化として」という意味が多少なりともアニメそのものに付与されるわけだけど、アニメそのものが「日本の文化」という意味合いを負っている場合は、なんだかそれが無駄に強調されて、ヘタしたらアサッテの方向のベクトルでデフォルメされてしまうのではないかという危惧すらある。
アメリカの寿司屋へ行ったら、板前がチョンマゲだったっていう感じかなぁ。たぶんズレてるけれど。
要は、俺たち日本人ならば、もともと有している社会的言説のおかげで制作者の意図に沿うことが可能だけれど、言語や文化の構造が異なった人たちがそれを見たら、変なことになっちゃうんじゃないかな? ということ。

これはすでに『るろうに剣心』で同様の事態が起きている。
海外のアニメ評論サイトをちらほらと覗いてみると、さもあれが日本の剣術のなんたるかを示しているように思われているらしく、鞘から振り抜くと炎の出る刀や、一瞬で9回打撃を与える技が「本当に」ある、と思われている節がある。
これはもう、鎖国時代にオリエンタリズムバリバリの西洋人が日本人はみんなサムライ、ハラキリだと思いこんでいた以上に、ある種タチが悪い。
日本人が日本のことを描いているのだから、本当なんだろうと、勝手に思われているんだろうけれど、まだまだ東洋の神秘という魔術はとけていないのだから、それを強固にしてしまうというのがオチになってしまうのかもしれん。

しかも、このアニメ。
いくら幕末だからって、土方歳三を登場させることもないだろうに。
なんだかなぁ、って感じだ。

もう4時半なので、このまま眠らずに交響詩篇エウレカセブンを見て、そのまま選挙へ出向くことにする。
日曜の朝みたいな時間帯にやってるのが勿体ない、クオリティ高いアニメだと思っているけれど、サークルの誰も見ていないのかな?
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by sargent_d | 2005-09-11 04:29
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