無茶しすぎな推薦図書

ケリー・キング、お茶目キャラなのは知っていたが、ここまでだとは思ってもみなかった。
今日のRock Fujiyamaは個人的に永久保存版。
ケリーの弾く"I'm Broken"を見てはじめて、マーティは余計なソロを弾くなと思ってしまった。

本題。

近頃、やたらめったらに取り上げられているニュース。
「1か月読書せず」49%、若者の本離れ進む
いや、毎年毎年同じように危惧されているような気がしなくもないけれど。

しかし、このニュース妙だ。
以下、長いけれど引用(読売オンライン)



読売新聞社の「読書」に関する全国世論調査(14、15日実施、面接方式)で、この1か月間に1冊も本を読まなかった人は49%だった。

 前年調査より3ポイント減ったものの、過去10年、50%前後を推移している。年代別では、20歳代で「読まなかった」が前年より7ポイント増の48%となり、この質問を開始した1980年以降では最多だった。若者の「本離れ」が浮き彫りとなった。一方、50歳代、60歳代で「読まなかった」は、それぞれ49%(前年比6ポイント減)、51%(同10ポイント減)に減少し、「本回帰」となった。

 本離れの歯止め策について聞いたところ、「家庭で読書の習慣を身につけさせる」51%、「学校で読書教育に力を入れる」47%――などが高かった。

 また、本を読む理由は、「面白いから」38%が最も多かった。類似の質問をした過去2回の調査では、最多は「知識や教養を深める」だったが、初めて「面白い」がトップとなった。

 携帯電話などで小説やエッセーが読める「電子書籍」の利用について聞いたところ、利用が「ある」は計7%。年代別では、20~24歳が最多の19%だった。

 好きな作家については、司馬遼太郎が1996年の調査以降、同じ質問をした7回連続でトップ。20~40歳代の支持を集めた宮部みゆき(3位)、村上春樹(4位)が順位を上げた。



本当に活字離れしているのは若者なのか?
確かに20代の数値は増加しているけれど、50代、60代の数値とかわらんじゃないか。
しかも、20代は記事内にもあるように電子書籍を利用しているし、本じゃないけど、ネット上の活字には日常的に触れているだろう。
そう考えるとむしろ若者のほうがよっぽど活字に親しんでいるようにさえ思えてしまう。

なんだかんだで新聞社や出版社は己の活路を見出すために、こういった怪しげな警鐘を鳴らし続ける必要があるんだろう。デオドラントのCMが体臭への危機感を促すことで購買に繋げるように、活字メディアもまた本を読まないことがいかに問題であるかを騒ぎ立てているような気がする。

あと、本離れを防ぐために「家庭で読書の習慣を」だとか「学校で読書教育」だとか、そういった意見は一体いつになったらなくなるのか。
もう断言してしまいたい気分になるけれど、「読む人は読む、読まない人は読まない」のだと思う。
はっきり言って性格の問題なんじゃないか。
本を読まなくてはいられない人と読まなくても平気な人の二種類がいるとしか思えないし、そのどちらが良い、悪いということもないだろう。
大体、普段読書ばっかりしている人間にとってさえ、人から押し付けられたり必要に差し迫られて読む本ほどつまらんものはない。
仮に親にドスト読めと言われて「罪と罰」を読破してしまうような中学生がいたらよっぽど気持ち悪い。

学校での教育に関してもしかり、で押し付けがましいのはよくない。
もちろん、正しい日本語を身につけるための国語教育というのは不可欠だとは思うけれど、国語の授業は文学の素晴らしさを滔々と並べ連ねるためだけのものではない。
そういった要素は必要にせよ、いざ読書感想文などを書かせるときに、対象が純文学であるかどうかをものさしにするような価値判断はなくならんものだろうか。

俺の場合、高校の現国の先生はそういうことを理解してくれていたような気がするけど、中学の爺様先生はきつかった。読書感想文、ただし夏目漱石の作品に限る、みたいな。
おかげで俺は今でも「夢十夜」を面白く読めないでいる。当時、椎名誠の「ちべたいビールにラーメンをハフハフ」的な文章ばかり読んでいた人間なのだから、そういうものについて書かせてくれたのなら、椎名誠の書く食い物は旨そうだ、とかなんとか気分良く書けただろうに。

百歩譲って学校で読書を推進せねばならん、どうしてもならん、というのなら推薦図書を完全に見直せと言いたい。
以下、京都府教育委員会による中学生への推薦図書35選の一部を検証してみる。

A 定番&納得がいく
アンネの日記 アンネ・フランク
竜馬がゆく 司馬遼太郎
13歳のハローワーク 村上龍

B たしかに推薦できるっぽい
14歳からの哲学   池田晶子
十二国記        小野不由美(意外とライトなのも入ってんだね)
カラフル         森絵都
西の魔女が死んだ  梨木香歩(俺はいまいち好きになれんかったが)
キャッチャー インザ ライ サリンジャー 村上春樹訳

C 中学生にはきついような・・・
南宋里見八犬伝   滝沢馬琴(どの程度現代的に訳されているかが問題)
沈黙           遠藤周作(高校生ぐらいでよいのでは・・・・・・)
もの食う人々     辺見庸(教育委員会っぽいな)
舞姫          森鴎外(ふつー、中学生は読まないし、よくわからんのでは)

D 絶対無理
赤と黒         スタンダール(俺は完全に挫折)
戦争と平和      トルストイ(岩波文庫5巻も読めるか)
罪と罰         ドストエフスキー(だからロシアはきついっつの)
徒然草         吉田兼好(現代文を薦めてやれよ)
新唐詩選       吉川幸次郎(漢詩を嗜む中学生って)

さて、どうか。
いかに推薦図書が無茶しているかが分かる。
上のほうでドストをネタにしたら本当に出てきて唖然。
トルストイの戦争と平和なんて、推薦している側の教育委員会の人々が本当に読破したのかすら疑わしい。ハードカバーの戦争と平和なら、余裕で人間を撲殺できるボリュームがあるぞ。
これが「イワンの馬鹿」だったら、まだ外国文学ってそんなにむずかしくもないな、ってイメージの植え付けに成功する可能性があるやもしれんけど。

じゃあ、お前なら何を推薦するのって言われたら。
推薦された本はつまらんと書いたばかりだが、あくまでも仮定として。

お父さんのバックドロップ 中島らも
哀愁の街に霧が降るのだ 椎名誠
時をかける少女       筒井康隆
卍               谷崎潤一郎
眼球譚            ジョルジュ・バタイユ

という具合だろうか。
卍も眼球譚もポルノグラフィーなので中学生なら絶対に読破できる。
むしろ男子なら読み終わるまでに3回はオナニーするはず。
とくに眼球譚は「オ××コ」という単語が1ページに3回ずつぐらい登場するので一気読み間違いなし。無論感想文も「オ××コ」だらけになること請け合い。先生も一気読み。
多分、この5冊全部を読んでどれもつまらん、という人は読書する必要なく人生がおくっていける人だと思う。それならそれでいいじゃないか。
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by sargent_d | 2006-10-31 03:51
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